マヤテリアルズ(Mayaterials)は、米国ミシガン大学材料工学部 Richard M. Laine博士の研究グループが開発した2つのテクノロジーを商業化するため2003年1月にミシガン州のアンアーバーで設立されました。
商業化に成功した1つ目のテクノロジーは、シリコン (Si) を立体構造にし、様々なラジカル(遊離基)を付加することで有機・無機2つの性質を同時に持つビルディングブロック(ナノコンポジット)を合成する技術です。これは籠型シルセスキオキサン(Cube type Silsesquioxane)(通称 Cube型 SQ)と呼ばれ、従来にないユニークなコーティングシステムや金属とセラミックとの融合システムを提供します。
マヤテリアルズの技術開発グループでは、Cube型 SQを進化させ、耐腐食性、疎水性或いは親水性に優れたコーティング材、ナノインプリント・リソグラフィへの応用、透明性に優れ屈折率をコントロールするためのレンズ材料などの製品ラインを取り揃えております。また、プラスチックなどのモールド・インジェクションのために、製品の品質を高める一方、粘性を減らすことで型のメンテ・サイクルを削減するコーティング技術も開発しています。
2つ目のテクノロジーは、農業廃棄物、特に米籾殻灰(RHA- Rice Husks Ash)から低温かつ低エネルギーで高純度シリカを抽出する技術です。米国だけでも年間10万トンのRHAが廃棄物となっていることから、これを利用し高純度シリカを製造することは、カーボンニュートラル社会に向けた大きな貢献となります。このシリカ抽出テクノロジーでは、高純度(純度:99.99999%)で目的に合った比表面積特性をもつ沈降シリカ或いはコロイダルシリカを低コストで製造することが可能なため、様々な用途に利用することができます。
例えば:
○ 食品、薬品
○ 高品質、低価格、真空絶縁体パネル
○ ソーラパネル (要求純度 >99.9999 %)
○ ファイバーグラス
○ 光学用シリカ(要求純度 >99.999 %)
○ 高分子複合材料のための充填材
○ 乾燥剤 など
☆ この農業廃棄物からの低温・低エネルギーでの高純度シリカ製造技術により、米国国立科学財団(NSF)から賞を受賞しました。